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新海誠監督ファンがすずめの戸締まりを見た感想(かなり長文ネタバレ無し)

今日から公開のすずめの戸締まりを見てきました。

見終わって家に帰ってじっくり振り返ってみるととても良い内容だったと思える映画でした。

ただ私は映画の事前情報を一切入れない状態で見ようと決めていたので、テレビでの先行映像なども見ておらず、知っていた唯一の情報が「緊急地震速報」が作中で流れるのでご注意を。という公式アナウンスを見たのみで完全な初見状態。

なので内容にはちょっと驚きました。

悪い意味とかではなく純粋にまさかそこを描くのか、と
言葉に尽くせないくらいとても難しい題材(題材と言っていいのかどうか考えてしまう)を描いた内容で、事前に作品に抱いていたイメージとはだいぶ違った印象を鑑賞後は抱きました。

例えるならば2011年公開の「星を追う子ども

ネタバレ無しで感想、となると難しいのですが内容等ではなく雰囲気をあえて過去の新海誠監督作品で例えるならこちらの作品の雰囲気にとても近しい物が有る作品でした。

星を追う子ども」はファンタジー色が強めの作品で、物語の舞台も幻想的な世界が主なので
今作とはもちろん違う面も多いものの「すずめの戸締り」と作品全体の流れとして共通するのが「少女がある目的のために旅をする」という点。

内容にあまり触れないよう抽象的になってしまいますが
2つの作品での旅の目的はある種全然違いますし、「星を追う子ども」の公開された年は世の中がとても大変な時期(今のコロナ禍とはまた違った意味)で難しい年だったと思います。

そんな2011年春に「星を追う子ども」が公開され当時劇場で拝見したなかで観客数などもまばらだった記憶が有り、やはりその時の世の中の暗い雰囲気だったり「映画を見よう」という雰囲気になれなかった人もきっと多かったんだと思います。

そういう状況だったのも有り、今でこそ興行収入という面で見てもとても成功を収めている新海誠監督ですが当時の「星を追う子ども」の興行収入は2000万円(推定)となっており
今の「君の名は。」「天気の子」がヒットした後では信じられないような数値となっています。ほんとうに公開されたタイミングが難しい時期だったと今では思います。

そんな中での公開でしたので新海誠監督自身さまざまな葛藤や抱く想いがきっと有ったのだと想像をしてしまうのですが、そうした葛藤や想いなどがきっと今回上映された「すずめの戸締まり」の中に込められているのではないでしょうか。

当時興行的には成功とは言えなかった「星を追う子ども
その作品を”今の”新海誠監督が作ったとしたらきっと「すずめの戸締まり」のような作品になるのではないかなと鑑賞後に私は感じました。

ジブリ作品のイメージに近すぎるものが有ったと当時賛否両論あった記憶がある「星を追う子ども
今作「すずめの戸締まり」では良い意味でその”賛否”の部分がとてもブラッシュアップされており、今作でも懐かしいジブリ作品を思い出させる様なシーンが有るのですが見せ方が全然変わっており、あぁ確かにそうだよね&懐かしいなと思わせてくれる良いワンシーンとなっているのでとても良かったです。

長々と過去作で例えてしまいましたが「星を追う子ども」を見て賛否あった方々どちらにも、もちろん見た事ない方にも「すずめの戸締まり」はオススメ出来る映画だと私は思っています。

そして新海監督作品と言えば個人的には作中の背景だったり「空の描写」などに注目してしまうのですが今作もとても綺麗でやっぱり良いなぁと
「旅をする」という内容的にも色々な地域に主人公が行くことになるのでそうした地域が現実に近い形であったり、幻想的に描かれていてとても良かったです。
丘のような場所を上るシーンだったり幻想的な空の描写が「コスモナウト」を思い出してちょっと懐かしくなり大変良かったシーンでもありました。

キャラクターボイスに関して

各キャラの声をを担当されている方の多くが俳優さんだったり女優さんでいわゆる本職声優の方ではないのですが(花澤香菜さんは除いて)特に主要キャストであるすずめ役の原菜乃華さん、草太役の松村北斗さん共に声優初挑戦(間違ってたらごめんなさい)という事でどうしても少し不安が有ったのですが観終わってみるとそれほど違和感なく観れました。

ただ作中序盤で草太の状況というか姿に劇的な変化が起きるシーンがあるのですがそこの草太の演技はちょっとぎこちなさが目立っていたかなぁと(でもあのシーンはある意味当然で特に演技が難しそう)
全体を通してみると声優初挑戦の方としてとても良い演技をされていたと思います。

本職の声優さんとは演技力で差が出るのは仕方がない事なので、私はそこに関しては完璧な演技ではなかったかもしれないけど決してキャラクターに合わないような演技ではなかった、と感じます(ちなみに声優好きでもある当ブログ筆者は一番好きな声優さんは大原さやかさん。余計な情報

劇中歌、劇中曲に関して

筆者は普段そんなに音楽を聴く頻度が少なく専門外な人間なのでここが良い!とかは詳しく書けないものの、今や切っても切れない新海監督作品とRADWIMPSさんですが今回もタッグを組むという事で同じくRADWIMPSさんが劇中歌を担当されていた「君の名は」と比べると今作は声付きの劇中歌が流れるシーンは少なめに感じたので適度に作品を彩っていて良いバランスだと個人的に感じましたね。もちろん多くても良いのですが少なければその分作中の背景などにも注目しやすくなってこれはこれで良いものなのです。

あと劇場の迫力満点なサウンドで聞いたというのもあるのでしょうが大事な山場のシーンで必ず流れる曲が1曲有りそれがとても迫力があって良かったですね、ちょっと鳥肌ものでした。

終わりに

冒頭でも書きましたが事前に公式アナウンスが有ったとおり「緊急地震速報」などの地震に関する描写がどうしても出て来る作品ですので、そうした描写で辛い経験だったり恐怖を思い起こしてしまう方がきっと一定数いると思いますのでそうした方には配慮がいる作品だと思います。

人によってはこの作品の中身が受け入れられないという方もきっと中には居ると思いますが
劇場で頂いた来場者プレゼントの「新海誠本」だったりパンフレットの新海監督のインタビューに是非目を通してみたらきっと新海監督の誠実で真っ直ぐな想いというのが垣間見える気がしますので鑑賞後に一読されるのをオススメしたいと思います。

めっっちゃ長々書きましたが観て良かったです!とそれが言いたいだけなのでした。
(新海監督の初期の短編作品もものすごく好きなのでいつかまた短編映画もお待ちしています!”今の新海監督”が作る短編映画がどうなるのか見てみたい!)